心霊ディレクター出身でありながら、昨今は映像制作チーム写楽街を率いMV等も手掛け幅広く活躍している活躍している新進気鋭の映像クリエイター谷口猛による映画作品である本作。
何がいいってタイトルの引きの強さ。笑
心霊×カルト×アウトローって要はテーマを変えた地震雷火事オヤジなんですよね。
つまりジャンルレスに怖いものをぶつけ合ってシナジーを産み出そうという試みというか遊びだったのかと思うんだけど、決して出オチにもならずモキュメンタリーとしてちゃんと成立しているのが流石の手腕といったところか。
物語の導入は失踪者を探して欲しいとの依頼が舞い込んで来たことをきっかけに始まる定番スタイルなのだが、どうもよくある心霊ドキュメンタリー作品とは各所で毛色が異なる事に気がつく。
というのも、冒頭でいきなり依頼人が白い粉をキメていたり聞き込み先の北九州の飲み屋連中も皆ナチュラルにガラが悪いわ半グレっぽい兄ちゃんが続々と出て来るわ。笑
なるほどこれはタイトルに違わぬアウトローだと納得するのだが、果たしてこの妙なリアリティのある空気感に、カルトや心霊がといった要素が果たしてどう絡んで来るのかとこの時点で釘付けに。（物語のオチというか根幹に関わるのであえて割愛します。）
全編通して怒涛の急展開や過激なシーンがある訳ではないのですが、微熱のまま駆け上がっていくかの様なクライム感は個人的に好きでした。
結構実験的な作品でもあるので賛否あるかと思いますが楽しめました。
あと、岩澤が出て来たら興奮するっていうホラーファンの生態をよく把握しているとも思う。笑
