クラゲ生活

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのクラゲ生活のレビュー・感想・評価

4.1
各所でも言われている通り、映画愛とオマージュに満ち溢れた作品だけあってこの映画を「随」まで楽しむのであれば最低限の映画と歴史文化的知識がある前提であるという事は間違い無いが、
仮に事前知識がほとんど無い状態だとしても、タランティーノ監督らしさ全開の気怠い空気感と緊張感の緩急、無意味に思ながらも何故か鮮烈に残る謎カットや日常会話的な独特の台詞回し(デビューから30年以上経っても『パルプ・フィクション』の頃から衰えない感性は流石!)に加えて
メインキャスト2人(レオナルド・ディカプリオ演じる「リック」とブラッド・ピット演じる「クリフ」)の卓越した演技と豪華キャスト陣による名演によって、充分『バディもの』として楽しめる出来になっていると私は声を大にして伝えたい。
あてて誤解を恐れずに言うならばタランティーノ監督の作品なんてそもそもドレスコードがある様な高尚なフレンチでは無く、ジャンクで通好みで時たま胃もたれする様ないわば二郎系みたいなもんなんだから、肩肘張らず観て欲しい。

話が逸れたが、
ラスト15分でこれまでの伏線とパラレルで動いていたストーリーが集約されていく怒濤の展開とクライマックスのカタルシスは必見です。
タイトルに込められた意味もなるほどな、と。


最後に作品の中で特に気に入った台詞を引用して締めとさせて頂きます。

「"兄弟以上、妻未満の奴"との終焉が近付いたら─
共に酔い潰れるのが正しい別れの儀式だ」

ワンスアポンアタイムインハリウッドより
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