ドント

心霊×カルト×アウトローのドントのレビュー・感想・評価

心霊×カルト×アウトロー(2018年製作の映画)
3.7
 2018年。よかった。失踪した仕事仲間が映った妙な動画について調べてほしいと依頼された東京在住の心霊ビデオ制作会社。動画が撮られた福岡と本社の東京を往復しつつその動画(※オバケよりまずいものが映っている)について調査を進めていくが……
 北九州をメインの舞台にし、ヤンチャな奴らの横の繋がりを噛ませて織り上げていくオカルト/アウトロードキュメンタリー。様々な手法で「心霊DVD」の新たな地平を開拓せんとしている野心的な人物・作品は多いが、本作は「ヤンチャな奴らの存在感」と「裏社会」、この2つの車輪でもってかなり厚みのあるリアリティを与えることに成功している。イイ顔してる取材組・協力者・証人たち、北九州というオーラ漂う街。それらのおかげで、オカルトに止まらず本格的に「ヤバい」ものが横たわっているらしいこの事件が実に生き生きとデンジャラスに立ち上がってくる。
 ジャンプカットの多用はいささか気に障るものの編集はピシピシと小気味良く無駄がない。このタイトルにして三題噺の要素が少しずつ物足りなく思う部分もあるが、茫漠として輪郭しかわからない、わかりそうでわからないけど考えたらわかりそうな(もう2歩くらい深入りしてほしいか)真相も、個人的に大変好ましく感じる。この事件を、とは言わずともこのチームでまた別の取材作品を作ってもらいたいと切に願う。好きっちゃ! 北九州!!
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