たく

カット/オフのたくのレビュー・感想・評価

カット/オフ(2018年製作の映画)
3.8
良くできたサイコスリラーで、頭の切れる犯人の仕掛けに次々と誘導されていくのが「セブン」ぽかった。
いったい誰が犯人なのか、この先の展開がどうなるのか全く読めなくて、複雑な設定が苦手な自分にとって手際のいい編集で分かりやすく見せてくれるのはありがたかった。
インターンの青年が犯人なんじゃないかと思わせたり、リンダの検視台シーンでエンダーが怪しい動きを見せたりとホラーっぽい思わせぶりな演出がけっこうあったね。

終盤で意外な真相が明らかになってからのたたみかけるような種明かしが見事で、ラスト展開が「エイリアン」みたくて最後までハラハラさせられた。
司法の闇に対する怒りが動機になってるところが重い気持ちにさせられて、ジャンル物としては雨降って地固まる系の親子愛だった。

「エス」の印象が強烈だったモーリッツ・ブライプトロイは、すっかりいい感じに年を重ねて本作ではトム・ハンクスっぽい風格さえ感じさせた。
原題の"Abgeschnitten"(cutoff)は「断ち切る」って意味で、邦題はご丁寧に「カット」と「オフ」の間にスラッシュを入れて断ち切ってるのがちょっと笑える。
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