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カット/オフのkyonkyonのレビュー・感想・評価

カット/オフ(2018年製作の映画)
3.7
色んな意味で非常に楽しめた一本
カテゴライズするとサイコスリラーものか。

言及するとすればまず、構成・演出であろう。
話の作り方、テーマ、進み方が非常にSAWに似ている。似ているというよりはインスパイアされている、か。
理不尽な誘拐と謎解き、交錯する時系列、二転三転する黒幕の正体、そして動機や原因となる現実の不条理さ。
まさにSAWだ。

ここで重要になるキャラクター設定。
最初にヒロインのリンダ。彼女は元彼の幻聴に悩まされているが、後半になればなる程、リスベット・サランデル像である。これは私個人は嬉しい反面、もっとキャラ設定や個性、紹介部分を濃く出さないと良さが伝わらないし意味がない。これは惜しい。
そして主人公のポール。これは物語に対してでもあるが、序盤のポールの一方的さが些か無理矢理過ぎる気がする。
冷静に考えて、いくら状況が状況とはいえ、遠隔で会ったこともない素人の女性に解剖させる解剖医がいるだろうか?
ここはもっと良く考えるべきだった点か。
最後にインゴルフとエンダー。あ、そんな感じなんだ!?ってところが良いのか悪いのか、、。これはサスペンス好きを裏切る意図的なミスリードだったのか、それとも演出ミスなのか、、。
「消失」や「バニーレイクは行方不明」、「ローズマリーの赤ちゃん」などに見られる秀逸なミスリードなのかどうか?それが私は一番後味が悪い。
全て計算であるならば、あっぱれです。
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