叡福寺清子

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

3.2
名状しがたい色が狂気を誘い,やがてあらゆる存在が存在する事自体狂気に変わっていく.カラー・アウト・オブ・スペースはそんなステキ作品.
オレの獲物,マッドダディ,マンディ,トゥヘルとキレ芸を琢磨してきたニコラス・ケイジですが,本作はマッドダディのブレント・ライアンをレベルアップさせたキレ芸を披露しています.正常時と頭おかしい時の緩急自在な使い分けは,MLBでも20勝できる超一級投手のようでした.
そんなかっこいいニコケイとタッグを組むのが宇宙からはるばる地球にやってきた色さん.ようこそ地球へ.愛用の枕と違いますがちゃんと眠れますか?というこちらの心配なぞ一切無用なようで,ご自身のペースでどんどんお仕事なさいます.朱色の花まではよかったのですが,それに留まらず動物にも影響を与え・・・って宇宙昆虫ってどうしてあんなに禍々しいのですかね.宇宙カマキリ(当然妙な色)の凶悪度は中盤で,かなり良き仕事だったと存じます.なんなら,宇宙カマキリの恐怖!でスピンオフをお願いしたいです.
そしていよいよ真打ち登場.ピコ太郎よろしくなんでもくっつけちゃう手癖の悪さは実に不愉快.母親の姿には耐性ない方にはちょっとキツイのではないでしょうか.そしてその頃には舞台となるガードナー邸は色の満漢全席が虚無縹渺,人類が存在していい場所ではなくなっております.
人類といえば,垣間見えた宇宙の深淵は人類が気狂うには十分な景色であり,あれを観られただけでも本作には価値があると断言できます.恐るべし,コズミックホラー.
なお,人間椅子の宇宙からの色は
https://www.youtube.com/watch?v=1JY89ZxVqEg
で視聴できます.