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映像研には手を出すな!のEEのネタバレレビュー・内容・結末

映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

結論、個人的にはメチャクチャ好き。

・空想世界の表現が最高。特にロボットが顕現する時は高揚感があった。
→そもそも「映像研」の漫画で特徴的なのは、現実世界と浅草(と映像研の面々)がアニメの設定やメカなどをあーだこーだと空想するところ。
=フィクションの世界と現実世界の境界が曖昧で、「あたかもそこにあるかのように」描かれている。
正直漫画の方は初見だと何が起こっているのか分からなかった、という人も一定いたと思う。
→アニメ版だとそこをタッチの違いや着色の雰囲気の違いで描き分けているが、実写版は空想、妄想の初期段階は"設定画風の白い線"で描写し、それがアイデアとして固まると実物が顕現する。
→現実とフィクションの描き分けのこの過程が、妄想の初期段階では明確でありつつ、顕現すると立体として"そこにある"という、絵的な理解のしやすさと、シームレス感を両立している。

・映像研3人の配役も良い。
→特に水崎ツバメ役の山下美月は、ビジュアル的にもかなり忠実だったのでは。高校生にしてはかなり子供っぽい頭身の浅草はさておき、3人の身長のバランスとビジュアル・雰囲気も良い。
数多いる役者からではなく同じグループから配役したことを考えると、良くここまで揃えられたなと感心。
(+α、乃木坂46のファンだと、この3人の性格、関係性的なところを思い出して相まって余計に楽しめるだろう)

・(これは原作の勝利でもあるけど)複雑な構造をした建造物の学校に、マニアックな部活が星の数ほどある、という設定が作品の満足度を上げているのでは。
→まるで刑事モノのような大きな会議室での捜査、検挙シーン。各部活がこっそり活動するキャンプ地、地下水路…。1つの作品の中で色々なものを味わえる。

・浜辺美波、めちゃくちゃ贅沢な使い方だけど、あそこの配役を適当な人選にすることは出来ない(というか、新人を起用したりしてしまうと本当に蛇足になってしまう)ので、良い選択だったのでは。
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