このレビューはネタバレを含みます
人間になりたかった長門と刺激的なハルヒたちSOS団のいる世界を望んだキョンの物語。
SOS団の活動の中で感情を知ってしまった長門が、バグを起こし自分が人間でSOS団が生まれなかった世界を作ってしまう。
エンドレスエイトで15000回も夏休みを繰り返してたらそりゃ長門もおかしくなると思うし、一方でSOS団の活動を楽しんでいて、キョンへの恋心も抱いていたのかもしれないと思うと、長門ってすごく可愛いなと思う。人間になった長門もすごくよかった。
その裏ではキョンは、平凡だけど幸せな世界を選ぶか、災難が降りかかってくるが毎日刺激的なハルヒたちのいる世界を選ぶか悩まされる。結果、ハルヒたちの元の世界を選ぶわけだが、笹の葉ラプソディーの裏側でまさかこんな一大事件が起きているとは思わなかったし、ここまで繋げてくるのがすごいなと思った。
アニメにしてはちょっと長いなと思ったし、キョンのモノローグが多いなと思ってしまったが、プログラムが起動して時空を元に戻そうとするところからはすごく面白かった。
もちろん、その前のキョンがみんなを探すところはアニメーションと演技が迫真で、みんなが好きなのだと伝わってきたから、必要なパートだったと思う。
ハルヒがいなくて寂しかったのはキョンだけじゃなくて視聴者もそうだったと思うし、ハルヒが出てきて歓喜したのもキョンを含めた視聴者だったと思う。
その点で、やっぱりキョン=視聴者であり、ハルヒ=アニメ制作者なのだと感じさせられた。