HAYATO

運命じゃない人のHAYATOのレビュー・感想・評価

運命じゃない人(2004年製作の映画)
4.1
2024年26本目
今どこで何をしているのか気になる『アフタースクール』の内田けんじ監督作
恋人に逃げられてしまったお人好しの冴えないサラリーマン・宮田は、偶然にも婚約を破棄され落ち込む女性・真紀と出会い、彼女を家に泊めることなるが、やがて大金絡みの大事件に巻き込まれてしまう。
『ジョゼと虎と魚たち』の中村靖日さん、『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいかさん、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の板谷由夏さんらが出演。
プロローグを見れば、誰もが「傷心中の男女が出会って恋に落ちるラブストーリー」かと思うだろうが、何せ内田監督の作品なのでそう単純ではない。
宮田と真紀の出会いの背後で起こっていた大騒動の一部始終が、見事なストーリーテリングによって明かされていく。
別の登場人物の視点に切り替わるごとに時間が巻き戻されるため、「なるほど!そういうことだったのか!」的な驚きが後を絶たない。
些細な言動にも伏線が張られていて、個人的に、宮田が「スリッパ」という言葉をあんなにもあたふたしながら発していた理由がわかるシーンの快感がたまらない。
パズルのピースがはまっていくように、中盤から面白みがぐんぐん増してくる内田監督作品らしさを存分に感じられた。
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