はやし

カサブランカのはやしのネタバレレビュー・内容・結末

カサブランカ(1942年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

全編をつらぬくラ・マルセイエーズが何よりも時代を表している。不安が高まる中で、マイナー調のアレンジで流れる演出が良い。
旅券(パスポート)を持たない者の殺人で始まる脚本は、『第三の男』同様、出身や国籍が持つ意味の重さを感じる。
登場人物は、そうした時代だからこそ出逢い、そして別れなければならない。リックの、今夜の予定を尋ねられて「未来のことはわからない」というダンディズムにしびれたし、『第三の男』比べて意思の強い主人公像だと感じた。運命の女・イルザは怖いほど美しい。今にも涙が出そうな瞳や、表情が「かつては、未来を誓おうとした。」という過去に納得してしまう。「君の瞳に乾杯」は自然に出た言葉なんだな。
「忘れられないキスをして。」
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