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カサブランカのKEiGOのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
4.3

映画好きなら知らない人はいないタイトル。
そしてあまりに有名すぎる名台詞

Here’s, looking at you, kids.

渋すぎる…
これぞ、究極の愛の形。
ダンディズム。

私はつい男目線で観てしまいがちですが、イルザにもかなりの葛藤・後悔があったのでしょうね。
それを一晩で理解し受け止めるリックの器量よ。
(前々から気づいてはいたのかもしれないが)ラズロも少ない会話からそれを察する。

いやぁどちらの男も”男”なんですよねぇ〜。

リックの台詞で「おお!」となったものがもう一箇所ありまして、
序盤にリックが女性に言い寄られているシーン。

YVONNE: Where were you last night?
RICK: That's so long ago, I don't remember.
YVONNE: Will I see you tonight?
RICK (matter-of-factly) : I never make plans that far ahead.

と言って受け流すんですよね。
「そんな昔のことは忘れた。そんな先のことは分からない。」と。
似た言い回しをリックはパリでイルザにしているんですよね!

ILSA:(evasively) That's too far ahead to plan.
RICK: Yes, I guess it is a little too far ahead.

いや〜本当お洒落な台詞ですよ。
こういうことがさらっと言える男になりたいものです。


ラブロマンスとして洗練された作品ですが、やはり連合国側の戦争プロパガンダ作品であることも忘れてはいけませんね。
ここはWikipedia[1]にわりと詳細な記述がなされているのですが、作品制作当時のアメリカがどのような状況で、映画業界がどのような立ち位置であったかを意識しないと正確に本作を受け取ることはできません。
自分は映画史についてまだまだ勉強途中なので大層なことは言えないんですけどね。
こう、歴史や経済、他の大衆文化と関わってくるのが映画の面白いところの一つですよね。


「究極の愛」、「戦時下という設定」から想起されたのが『風立ちぬ』です。
この作品は舞台が日本(途中ドイツに行ってたけど)ですが、戦時下における男女の純愛を描いていたので、つい思い出してしまいました。僕が好きなんですよね、『風立ちぬ』。ランキングにも入れてますしね。
『カサブランカ』のカフェ・アメリカンでラ・マルセイエーズを大合唱するシーンは、『風立ちぬ』の軽井沢でDas gibt's nur einmalを歌うシーンに通ずるものがあるなぁと。
文脈が少し違いますけどね笑


ハンフリー・ボガートが本当に渋いですねぇ。
この方が早くして亡くなられたことが悔やまれます。
60代、70代ともっと歳を重ねて熟成されていく彼を見たかった…!


本作にてAquascutumのトレンチ・コートを買うことを決意。
待ってろよ…社会人になったら稼ぐからな…!



参照
[1]Wikipedia カサブランカ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AB_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
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