梅田

セノーテの梅田のレビュー・感想・評価

セノーテ(2019年製作の映画)
3.9
YIDFF'19では満員で観られなかったので、2年越しの初鑑賞。
序盤のサイケデリックに水面付近をさまよう映像はまるで「2001年宇宙の旅」だし、監督自らがデザインした音響も心地いい。牛みたいな耳障りな動物の鳴き声は「ホエザル」という猿の鳴き声と、その鳴き真似をした人間の声とを使っているらしい。
iPhoneで撮影・録音した水中での映像の合間に、8mmのざらざらしたフッテージが挟まる。本編中にはポスターに使われているようなインスタ映えするセノーテ(泉)の映像は全く登場せず、徹底的に「俯瞰」を廃した一人称的な語りの中で、粗い画質のポートレートがこちら側を見つめてくる。上映後のトークショーで、小田香監督は「映像の客観性というものを信じていない」と語っていた。
梅田

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