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One Day in the Life of Noah Piugattuk(原題)
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『One Day in the Life of Noah Piugattuk(原題)』に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【英語という不平等】
イヌイットの映画監督ザカリアス・クヌクは1990年にイヌイットの、イヌイットによる、イヌイットのための映画製作会社イグルーリック・イスマ・プロダクションを設立した。

『氷海の伝説』で第54回カンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞後、ドキュメンタリー、劇映画を幾つか制作してきた。2016年にはザカリアス・クヌクがイヌイットとしての先住民意識が芽生えた作品であるジョン・フォード『捜索者』をリメイクした。そして2019年。ヴェネチア・ビエンナーレでは今回紹介する『ᓄ ᐊ ᐱ ᐅ ᒑ ᒼ ᑑ ᑉ ᐅ ᓪ ᓗ ᕆ ᓚ ᐅ ᖅ ᑕ ᖓ(英題:One Day in the Life of Noah Piugattuk)』と併せて、イヌイット史に関するインスタレーションが展示された。本作は、1961年に起きた事件の映画化だ。

Apayata Kotierk演じるNoah Piugattukの元にカナダのエージェント(Kim Bodnia)が現れる。彼の目的は、イヌイット人の保護であり、居住区に移住を促して、子どもたちに英語を学習させようとする。イヌイットはかつては狩猟民族として、広大な土地を移動しながら暮らしてきたが、カナダ政府の保護により、イヌイット文化の崩壊が始まった。今やイヌイット語を話せる人は少なくなった。イヌイット人はカナダ同様の生活を獲得すると共に、自分達のアイデンティティを失いつつある。そのきっかけとなった事件を映画化するのは必然であった。

本作の特徴は2時間ある上映時間の大半をイヌイットの長Noah Piugattukと通訳、そしてカナダの役人による会話劇で占められる。カナダの役人が通訳越しに、ライフスタイルの向上を訴える。貨幣という概念を刷り込もうとする。だが、彼に不信感を抱くNoah Piugattukは拒もうとする。だが、カナダの役人はねちっこく圧力をかけてくるのだ。

本作は、イヌイットの問題の枠組みを超えて交渉における言語の力関係を暴いている。列強であるカナダは、一人であっても力がある。得意な言語である英語で交渉する。一方で、イヌイットの翻訳者は英語こそできるがネイティブレベルではない。複雑な政治関係を汲み取って慎重に翻訳する。村長が「おい、ずっと話しているぞ、早く訳せ」というが、そう急いでは自分たちの不利になることを知っている翻訳者は慎重に言葉を選ぶ。

だが、その慎重な言葉選びにも限界があり、イヌイット文化特有のユーモアはカナダの役人に伝わらない。この平行線が事態を悪化させ、翻訳者をドンドン苦しめるのだ。ブチギレたカナダの役人は、「もう一回、彼に言え!どうすれば折れてくれる?とな」と翻訳者に圧をかける。彼は、Noah Piugattukが移住を承認しない限り居座る気でいる。その言葉の暴力、仲介者としての圧力に押しつぶされそうになる場面は肝が冷えるような思いをした。

かつて、ペリー来航から始まる国交において日本の役人は、外国語を話せたとしてもあえて分からない振りをして、相手の土俵に立たないようにして上手く立ち回ったらしい。

本作を観ると、力関係が強い国の言葉に乗ることは、それだけで不利になることが分かる。世界共通語として英語があるが、それは不平等である。本作は、言語の力関係を示した力作であった。
トロント国際映画祭にて。北米プレミア。

これ全くノーチェックで出演者知らなければ完全にスルーしてしまうやつだった。
プッシャー、ブリーダーのキム・ボドゥニアががっつり出てる。

ボケとツッコミを延々やってるコントみたいで、意外と笑っちゃって楽しかったわ😂
演技なの!?これ?アドリブじゃね?と思ったわ。

イヌイット族を定住地から別の場所へ移住させようとやってきたカナダ政府の使者の交渉を描いてるのだけど。
先住民と侵入者?入植者?の「人生のあり方」「生き方」の根本的な違いを凝縮した会話がおもしろい。

タイトルロールのピガットックさんは実在した人らしい。
カナダ政府の使者にデンマークのキムをキャスティングしたのは監督が知り合いだったからだって。

社会派題材、まるで密着取材のようだけど、なかなか面白かった。