このレビューはネタバレを含みます
主人公の少女ゲルダが、友人カイを助けに行くために、身につけている一つ一つを手放していく。
「靴を川にあげるかわりにこの舟を導いておくれ」と願う心はとても健気で、まっすぐな気持ちが伝わってきます。
なによりそのゲルダの振る舞いと行動に、心を開いていく山賊の娘の涙がとても感極まります。
アニメーションでの仕草がとてもしなやかで優しく、荒々しい性格が伺えた山賊の娘に奥ゆかしさが垣間見えて、素晴らしいシーンだと思いました。
寂しくて動物を捕まえ、縄に縛り付けていた「関係」が、何の価値もなくそこに「友情」はなかったのだと気づかされ、動物たちの縄を解くシーンが、この物語の重要なシーンだったのではと思います。
カイを救いに行くというゲルダの想いが、他の人の心を大きく動かしたのですから。
素晴らしいアニメーション作品だと思います。