このレビューはネタバレを含みます
主人公の三上は、ある意味、子どものような人物
弱いモノを放っておけず、誰かが喜んでくれる事が嬉しくて、正しい事を正しいと言いたい
彼は他人を自分の思い通りにするために暴力的な言葉と行為を繰り返す
彼自身もなんとか世間に馴染もうとするが、その暴力的な衝動を抑える事は難しい
仲野太賀さんが演じる津乃田は、取材対象として三上に関わっていく
時に興味を持ち、時に恐怖を感じ、心配し、応援する
私も、その気持ちを共有するように、その世界に入りこんでいた
西川監督は脚本を書く際に時間をかけて取材するらしい
この作品を書くにあたっても、三上のモデルである人物に関わりのある人々に話を聞いているのだろう
津乃田は監督自身の目線でもあるかもしれない
「すばらしき世界」このタイトルが、ずっと気になってる
三上にとっては、とても生きづらい世の中、登場人物も彼を応援する人ばかりではない
「すばらしき世界？そんなわけがない」という皮肉なのかとも思ったが、こんな世界にも、過去に道を外れた人を支えようする人がいるという希望を表現したかったのかな？
