Takhio

すばらしき世界のTakhioのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.2

非常に良かった。ユーモアとシリアスがちょうど良い塩梅の映画。私が1番好きな割合。
教習所のシーンは良かったなあ、、、。

映画が終わってからタイトルの「すばらしき世界」について考えている。
壮大な皮肉のようにも感じるし(全然すばらしくないじゃんかということ)、文字通り受け取ってこの映画に温かみを感じることもできる。いいタイトル。

安アパートで共同生活をする外国人労働者や震災を機にソープを点々とする女性、若い時分にグレてたスーパーの店長、警察・社会からの締め付けに喘ぐ暴力団幹部、皆がそれぞれ今を生きていた。

冒頭の身元引き受け人宅ですき焼きを食べていたシーンでは子を「捨てた」親に対して怒りを抱いた三上が、ソープ嬢の告白では怒らずに話を聞いていたのが印象的だった。
「瞬間湯沸かし器」である彼はなぜ怒らなかったのか?自分が母にされたことを思い出したはずである。なぜ嬢を問い詰めなかったのか?

ぜひもう一度見て三上の心の動きを追いたい。

「すばらしき世界」のタイトルについてご意見ありましたらぜひ共有させてください。

個人的に「人生はいいことばかりじゃないけど生きていないといい事は起こらないから生きてた方が楽しいんじゃない?」と思っております....。

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映画の役名を覚えるのが苦手でレビューはいつも俳優名で書いてしまうのですが、三上だけは覚えている、、、こんな映画なかなかない。孤狼の血も最高でしたが....役所広司さん!素晴らしい役者です。

北村有起哉さん!!!『ヤクザと家族』ではあんなにイカつい若頭だったのに!カーディガン着て自転車乗ってる優しいケースワーカーさんになっとるじゃないか!!『ヤクザと家族』の柴咲組を抜けて、転職した違う世界線の話だと思うと面白い。
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