不条理や理不尽が横行するロクでもないこの世界を、絶賛し最高であると讃えるのではなく、案外悪くないなと思わせてくれる作品が大好きです。主人公もきっと自分と同じ気持ちになれたのではないかと思います。
社会に適応できずに世間が考える普通の生活が送れない人は世の中に沢山います。それを映画の題材にするとどうしても本人もしくは社会を一方的に悪く描き過ぎることが多いです。しかし今作は描き方がとてもフェアであり、説教臭さや押し付けがましさがなかったように感じます。
主人公の感情を言葉で説明はしないのですが、丁寧に映像を通して描くので、彼が今何を思っているか深く理解することができます。だからこそ感情が強く揺さぶられました。ここ最近見た映画で一番観賞後考えさせられた作品です。
