2021年2月13日、丸の内ピカデリーにて鑑賞。
素晴らしい映画だった。
ある殺人犯が刑期を終えて出所するところから始まる。その出所した三上という男(役所広司)が一生懸命にカタギとして生きようとするが、ときどき熱くなりやすい危険な男に変貌しそうなあたりの「危うい雰囲気」にハラハラさせられる。
「彼(三上)が何か事件を起こして刑務所に戻らされたりしないだろうな…」と、ついつい思ってしまうのは、西川美和監督の演出が上手くて、三上に感情移入しているのであったのだろう。
更に、彼を万引き犯と思ったが仲良くなるスーパー店長、九州で彼のことを心配してくれる昔の友人、最初はテレビ番組制作側だったが彼をしたうようになる男…などの存在が上手く描かれていて、全編にわたって映画に浸りながら観ることが出来た。
最後の場面はドローンによる映像が素晴らしく、そのチョット前に泣かせておいて空を映す見事な映像の流れであった。
今年公開映画の傑作!