「社会のレールを一旦外れると普通の生活に戻るのはとても厳しい。ただ、普通に生きている人たちも幸せではない。幸せでないから社会のレールを外れた人を厳しい目で見る。」みたいなことを長澤まさみが言っていてグサっときた。
お風呂場で背中を流すシーンがとても良かった。
焼肉に行った帰り、チンピラを脚立で殴っていた井上の姿をカメラを回すこともできず、かといってカメラを回すのをやめ止めに入ることもできなかったツノダが、TVではなく「書く」と決めたことを井上に伝えるとても印象的なシーンだった。
井上はあえて映されていないようなカメラワークだったけど、どんな顔をしていたんだろう?
あべくんのことを馬鹿にしている同僚への怒りを抑えなければいけなくて、本当はそう思っていないのに同僚の言葉に同調してしまい自己嫌悪に陥った直後、何も知らないあべくんが「井上さん、コスモス持って帰りませんか〜?」って言うんだけど、その時の井上の泣きそうな笑顔が忘れられない。
一番最後にタイトルが入るとこ、「そこか〜!」って思った。
このタイトルは社会への痛烈な批判のように感じた。
映画を観ている間も何度か泣いてしまったんだけど、帰りの電車内でも思い出してちょっと涙ぐんでしまった。
帰ってからもずっとこの映画のことを考えてしまった、そんな映画。