殺人を犯した元ヤクザである三上という男性が出所してからの生き方や彼を取り巻く人々の思いを描いた作品。
作品の初めに三上と刑務官のやりとりがあって三上が廊下を歩くシーンがありますが、その時点で俳優の役所広司さんではなくて三上にしか見えなくなりました。
作品を見る前は出所してきた三上は実はすごくいい人で今までは偏見で見ていた人も彼の人柄にほだされるなんてストーリーを想像していたのですが・・・
もっとシビアで現実的な内容でした。世の中そんなに甘くなかった〰️。
殺人を犯した受刑者だから初めは周囲もおどおど接しますけど次第に手厳しいことも言いますし。普通の生活を始めて、それを続けていくのは本当に難しくて罪を犯して刑務所に戻る人が多いのも分かる気がしました。生きづらいんでしょうね。
普段は大人しい三上もちょっとスイッチが入ったらヤクザの一面が出る、あの切り替わりとか空気感とか素晴らしかったですね。
ただのいい人じゃなくて、この人はかつてはヤクザだったんだ、キレイな部分だけじゃなくてブラックな部分もあるんだよと見せてくれています。
それは三上だけじゃなくて、この社会もそうなんですよね。罪を償った人を支援するとは言っていても具体的な方法はない訳ですよ。
人間や社会には、いい面だけじゃなくて汚れた面もあるんだよと教えてくれて考えさせられる映画でした。
