向日葵

すばらしき世界の向日葵のレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.5
悪者ってなんなのだろう。
罪を犯した人間は根っからの悪者なのか。
根っからの悪者ってなんなんだろう。

国を守る人間には悪い人はいないのか、
誰も殺してはいないのか、

悪に染まらなければ生きてこれなかった主人公が大人になり刑務所に入り出てきてそれからの人生を描いている。これはよく問題視される題材だが役所広司の演技がとにかく凄い。トッププロの役者はすごいんだな…とはじめて思った。

この国は平等なようで平等では無い。目に見えない不平等が沢山あって、私は、悪者としてそして刑をまっとうしたあとも色眼鏡で見られ続けていた主人公のようには生きられない。私は罪を犯してはいないけど、こんなに心が綺麗じゃない。頑張れないよ。そう感じた。心が綺麗だからこそ悪に順応して正義を貫いて罪を犯し大人になった今もそのやり方でしか守れない。

人間は弱い。弱いからこそ白黒つけられない正義が存在する。元から平和な世界にいる人間が裁決出来ない善悪がある。最後は涙が溢れた。心の温かさ、健気さはどんな人間も尊われるべき感情なんだ。
向日葵

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