このレビューはネタバレを含みます
ヤクザ、前科10犯(殺人含む)、人生の大半を刑務所で過ごした人物の社会復帰を描いたおはなし
スタンスや価値観をぐちゃぐちゃに揺さぶる系作品。おもしろいって言っていいかわかんないけど超おもしろかった。
怒らないことは優しいことなのか、普段全く怒らない自分は優しすぎて怒る三上くらい振り切れてる人が少し羨ましくも思った。
人間の「居場所」を家族、仲間、仕事として描いていたが、それで言うとヤクザは全てを包含する究極の居場所なんだなと思った。
周りにいる人がとにかく優しくて、なにより対等。あのビジュアルの殺人犯に自分は津野田みたいに接せるか正直怪しい…
暴力では最強の男が、こんなにも弱く愛おしく描かれるギャップがすごい。手が出そうになるシーンはハラハラなのに、手を出さないシーンは、やれ!って応援してしまっている恐ろしさ。
半端でクソみたいな矛盾だらけのやさしい「すばらしき世界」。
全てが0or100 暴力で輝ける命懸けのシビアな「すばらしき世界」。