このレビューはネタバレを含みます
出所した元ヤクザの三上。
彼をネタにしようとするテレビマンの津乃田。
答えが見つからない作品だった。
「ようやった、頼りんなるって 俺んごた人間でも目をかけてくれるもん」
これなんだよな…結局人間性以前に白い目で見られるから、なかなか仕事が見つからない。私だって採用する側なら採らない。リスクが大きいから。でもそれが、本当に更生しようとしている人をそうできなくしている。どちらが正しいとかではなくて、そのリスクを覚悟してどこまで受け入れられるかだと思う。
裁判のシーン見てて思ったけど、人を殺すようなことが普通になってて感覚がズレてるのかなって。無我夢中でとりあえず人を刺すって怖すぎるって。その上すぐすごむ。怖すぎる。
しかし吉澤さんの口がうますぎるんだわw
ある意味すごく怖いよなあこの人も。
せっかく働けるようになった施設で、阿部くんのことをそういうふうに言っちゃダメだよって、冷静な言葉でなら言って良いんだよ。そんなことまで我慢しなくて良いんだよ。あんなこと言う方がどうかしてる。事実を言うのと陰口を言うのは違う。
これからだったのになあ。こんなのって悲しすぎるな。
半分は再犯でまた何かやらかす。そんなの怖すぎるから関わりたくない。その一方で、だからこそまた社会に馴染めず再犯。負のループ。もちろん本当にもう悪いことはしたくないっていう人もいるだろうけど、残念ながら大して反省できてない人もいる。前者なら頑張ってほしいけど後者なら怖い。その見分けはつかない。
でもこの作品のように、力になってくれる人に出会えた人はどうにか悪い道から戻って来れるんだろうか。
下稲葉の奥さんのように、こっちに戻るなって言ってくれる人って単に受け入れるより良い人なんじゃないかなって。責任をとってくれるわけじゃないけど、責任も取れないのに無責任なこと言ってくるよりはよほど。
答えは見つからない。