孤児院で過ごし、まともな教育を受けぬまま、少年院〜暴力団〜刑務所と人生の大半を獄中で過ごした、三上。
真っ直ぐ過ぎる性格、故に娑婆での生活はままならない。
以下ネタバレ含みます⚠️
やっとの思いで掴みとった、時給900円の介護のパート。
その報告を受けたスーパーの店長。
「凄いじゃない、よかったね」と微笑む。
胸を打ついいシーンでした。
怒りを抑えて、自分を押し殺して、応援してくれるみんなの顔に泥を塗らないように、ヘラヘラと笑う事。
真っ直ぐな三上にとって、これ程の苦痛はなかったのでしょう。
コスモスを握りしめて、自転車で帰った三上。
もしも、生きていたら次こそは卑怯な同僚に拳をぶち込んだのだろうか。
それとも現代社会で生きるための処世術を身につけていったのでしょうか。。
三上という人間を通して、改めてこの世界の移り変わりの早さ、生きづらさ、落伍者対する無慈悲などの社会全体の問題が浮き彫りになりました。
タイトルの「素晴らしき世界」は綺麗事だけでは生きていけないこの世の中に皮肉を込めたアンチテーゼなのでしょう。
主演の役所広司さんの演技、本当に素晴らしすぎます👏