TaiRa

プラットフォームのTaiRaのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
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風刺にはユーモアが必要なの忘れてないか。というかそのまま過ぎて風刺になってない。

超現実的な閉鎖空間モノなので『CUBE』とかの類似なんだけど、その点ではこれと言って目新しさがある訳でもなく、言いたい事をそのまま登場人物に言わせてるので工夫もない。社会構造の戯画化にしたって特段感心する提言もない。最初にルックを観た時、以前ドゥニ・ヴィルヌーヴが撮った『華麗なる晩餐』という短編を思い出したけど、あっちの方が風刺としては優れてる。大した作品ではなかったけど、何より短編だし。今作も言いたい事とやりたい事がせいぜい短編で済むレベル。ワンフロア一ヶ月という期間の長さを描きたかったのならああいうダイジェスト編集はやめた方が良い。ゴア描写に力点を置いたのならばヌルい。カニバリズム描写の持つ一定のエグさに頼り切ってる。日本公開版は変にボカシ入ってたがどういう基準なんだろ。後半でバイオレンスを描きやすい展開も用意してるのに大した事は出来てないのももったいない。首チョンパに美学がない。もっとカオティックな展開だって作れそうなのに。予算がないのかアイディア不足か。
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