現代の格差社会について
斬新なアイディアとイメージで映像化した作品。
このイメージが直感的で分かりやすいのは良点。
下手にどういう設定か詳細に説明しないのも好印象で
"格差社会"という厳然たる社会構造・システムは
社会学・経済学的な説明はできるだろうけど
そこに住む人間にとっては抗いようのないものであり
映画的にそういうSF設定を織り込まなかったのは良い。
各階層、つまりは貧富度の差で思想も異なり
性善説に頼ったり諦観に域に達していたり
思惑が異なるというのもリアル。
残酷なシステムに抵抗するために
最後にとる選択も実に絶妙。
希望にも絶望にも転びそうな選択肢。
何よりゾッとするのは第0階層の労働者。
非常にシステマチックに、一連の業務として
綺麗で豪華な食事を机に並べる。
でも下の階層には一瞥もくれない。
視界にすら入ってないのだ。
これが実に生々しくて恐ろしいね。
