どないやねん

プラットフォームのどないやねんのネタバレレビュー・内容・結末

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

見ていてつらかった
フランス映画かと思って見始めたけどスペイン映画だった。なんせ西欧の映画っぽかった。
カニバリズム、聖書、ドン・キホーテ、ラムセス二世色んな要素が西欧の価値観を色々下敷きにしていることは分かりつつもよく知らないのでその辺の皮肉や比喩は分かりきってないと思う
西欧的だと思ったのは、そういうモティーフじゃなくて、こういう、ある厳しいシチュエーションにおいて協力じゃなくて争いを始める事を人間の本性であるという風に自明に思ってそうなところ。もし日本で同じようなシチュエーションの映画が出来たらこうはならないと思った。少なくとも頑張ろうとか助け合おうみたいな声かけに対してうんこしたり唾はきかけるとかは絶対しないんじゃないかな。有限な資源を前に人は争うしかないって当たり前に思っているところが僕はこの映画を評価したくないポイントだと思ってしまった。全然自明じゃないと思う。少なくともみんなそれなりの期間収容されてたら皆が遠慮しあえば誰も餓えず誰も殺しあわないことくらい分かっているはず。それでも我先にと食べてしまうことが当たり前だと思っていてそういう風に描いてしまう彼らの人間性、残忍性に悲しくなってしまう。さすが植民地支配と奴隷売買を平気でやって来た人たちの人間観の描き方だ、というのはさすがに言い過ぎか。

しかし主人公とハバマトの勇敢さはすごい。同じ状況で頑張れる自信ない。ああいうときにちゃんと行動を起こせる人が革命家タイプなんだろうと思った。知行合一を試されるね。