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デニス・ホッパー/狂気の旅路のaoaominamoのレビュー・感想・評価

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ヒットを飛ばし、でもハリウッドから干され、そこから這い上がり、最後はハリウッドの殿堂入りを果たす、なんて華やなストーリーだけれど、彼の歩んだ道は痛ましい。
彼のことは「Fishing with John」で見るまで知らなくて、そこで彼が普通に喋っているのを見たとき、気の強い人に見えるけれど、どこか寂しげな人だとも思った。そう感じた理由が分かった気がする。
「ラストムービー」撮影後もずっと役の格好をしていたこと、「マッド・ドッグ・モーガン」の撮影期間にモーガンのようにラムを飲みまくっていたことから分かる、彼のメソッド俳優ぶりは、おそらく彼の繊細さが成せる技だと思う。
そして、未だ誰も作ったことのないような映画を作り、まだ売れる前のアーティストの絵を買い付ける、そういう先を見据えることのできる才能は、同時に孤独を生むものでもあったと思う。
デニス・ホッパーの凄さ、そして彼の左腕のサティヤの凄さもひしひしと伝わってくる、肉感とストーリー性を備えた非常に良く出来た伝記映画。
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