マツモトタクシー

グライド・イン・ブルーのマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

グライド・イン・ブルー(1973年製作の映画)
3.9
ジェームズ・ウィリアム・ガルシオ監督作品


アリゾナ州モニュメント・バレー
荒涼とした砂漠の片田舎で殺人課の刑事になる事を夢見ながらも何もないハイウェイを取り締まる白バイ警官ジョン
バイク「エレクトラ・グライド」に憧れる同僚ジッパーがするヒッピー達への嫌がらせを諌め黙々と働く日々だった

ある時、老人ウィリーから友人フランクが自殺したと通報されジョンはジッパーと共に現場へ踏み込む
検視官は自殺だと断定するがジョンは自殺なら胸ではなく頭を撃つはずだと主張し、それが偽装された殺人だと見抜く

ジョンの推理を聞いた殺人課刑事のハーヴはジョンを殺人課へと引き抜き共にこの事件の捜査に当たるよう命じる
ついに夢実現の第一歩を踏み出したジョンだったが。。





以下「イージー・ライダー」のネタバレも含む


刑事に憧れる白バイ隊員ジョン
殺人事件の謎を解いていく推理物

表向きはその要素もあるが隠されたテーマが含まれている様に感じた
当時の泥沼のベトナム戦争、反戦運動、ヒッピームーブメント等。。

憧れの刑事ハーヴは見栄張りで高圧的、自信満々に女性を紹介されるがジョンとも関係が有ることを知ると激昂して白バイ隊員に降格させる。。
老人ウィリーは結局自身の寂しさから親友フランクを殺していた。。
同僚のジッパーは殺されたフランクの現場から5000ドルを盗み出し新しいハーレーを購入していて問い詰めるジョンと銃撃戦に。。

登場人物達がそれぞれに闇を抱えている病んでいるアメリカ🇺🇸
そんな中、懸命に生きようともがく、おチビなジョン

射撃場で「イージー・ライダー」のポスターに向かって射撃するのが印象的

「イージー・ライダー」のラストは異端者が支配側に狙撃されて終る。。
そのアンサー・ムービーのように今作品は支配側、警察官のジョンが銃弾を受けて倒れるED
長回しで流れる曲は亡くなった「シカゴ」のギターリスト、テリー・キャスのテル・ミー🎵

監督が後の「シカゴ」のプロデューサーなのでテリー・キャスが選ばれたんだと思います☺️


オリジナル・タイトルはElectra Glide In Blue
エレクトラ・グライドとは当時のハーレーの最新型の車名でブルーは制服の色から警官のことを指す俗語



アメリカニューシネマの隠れた佳作☺️