緩やかさ

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像の緩やかさのレビュー・感想・評価

3.6
美術品オークションの冒頭シーンからあの映画を激しく彷彿とさせて、(個人的に)いきなり胸が苦しくなる。

<One Last Deal>
原題がかっこいい。
オールドが隠れてるし。

邦題の長いサブタイトルはあの映画を意識してるはず。
(あちらの英題はThe Best Offer)


繰り返しおじいさんの悲劇フラグが立ちまくって途中ずっと胸がキリキリして苦しかった。

身の丈でない落札するし、見通し甘すぎだし、、
老境とはそういうものなのか。


ハッピーエンドとは言えない結末だけど、ずっと緊張してたから解放と安堵があった。

あちらのような崩壊的カタルシスをこちらに感じないのは疑似恋愛要素が絡んでないからだろう。

(実はいま「とまどい」を途中まで観てて、とまどいのおじいさんが不憫で苦しいんだ笑)


フィンランドの美しい街並、絵になるおじいさん、それを楽しむ映画と言えなくもない。

ありがとう、のキートスが普通にカタカナで聞こえる。
「キートス」って言ってみたくなる。

終始抑制の効いた音楽もとても良かった。
緩やかさ

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