ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像の作品情報・感想・評価・動画配信

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」に投稿された感想・評価

minorufuku

minorufukuの感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

年老いた美術商が主人公。ある日娘から職業体験として孫息子を画廊で数日預かって欲しいと懇願され、渋々引き受ける。その最中、主人公はオークションのリストで作者不明の絵画を目にする。それがロシアの巨匠の作品だと気づいた主人公は、孫とともに調査に乗り出すのだが...という話。フィンランド映画。

名画の謎を追いつつ家族の絆を描く話なのかと思って観たら、そのどちらも中途半端に感じた作品。かなり地味。
家族を顧みず仕事ひとすじに生きた主人公が名画を前に最後の賭けに出るのだが、鑑識能力は高いものの、その不器用さ故に資金繰りがうまくいかない。家族ドラマとしては孫息子や娘とのふれあいで失われた時間を取り戻す描写はあるものの、結局商売のために家族を利用し、その期待を裏切ってしまう。しかも商談も成功しないという悲しさ。だが、最後に美術商としての眼力の正しさは証明され、子どもらにその証を遺すことができた点は共感できた。
オークション主催者がものすごく胸糞悪い人物。
BoltsFreak

BoltsFreakの感想・評価

3.3
最後がとても切ないけど、商才薄いおじいちゃんの一世一代の賭けにのめり込んでしまった
tori

toriの感想・評価

3.5
記憶する限りアキ・カウリスマキ監督以外初めての
フィンランド映画

国民性を反映してか極々渋い

人生の夕暮れ時を迎えた男の悔い
定番は家族を顧みなかったこと
tych

tychの感想・評価

3.8
Tuntematon mestari/ONE LAST DEAL 2018年 フィンランド 95分。老画商オラヴィ、商売も冴えず、一人娘との仲も円満ではない。商売を畳もうかというある日、オークションに出品される一枚の肖像画を見て感じるものがあったオラヴィ。久々に会った孫の協力も得て、サインの無いその肖像画が、ロシアの高名な作家レーピンの作品であることを突き止める。そして、あちこちから金を集め、1万ユーロでこの作品を入手する。まさに、人生最後のディールとなる。家族の助けもあって成し遂げられたラスト・ディール、孫とじいちゃんの関係がよく描かれた家族映画でもある。
babybop

babybopの感想・評価

2.5
うーん、煮え切らない。

展開は漫画のようにわかりやすい。
もっと壮大な展開になるのかと思ったらこじんまり終わった。
Hiroki

Hirokiの感想・評価

4.1
これはおもしろい!
とても巧妙な作りになっているんだけど、宗教的な要素が強いのでそこらへんに明るくないとダメかもしれない。

基本的には“名前のない名画”と“家族の話”という2つの軸があるんだけどこの2つが良い具合に絡み合ってくる。

主人公の画商オラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン)がとあるオークションハウスで見つけたサインのないキリスト画。この作品が絶対に名画だと感じたオラヴィはなんとかお金をかき集めてこの絵を競り落とそうとするけど、資金が集まらない。そんな時に疎遠になっていた娘(ピルヨ・ヨンカ)にお金を借りようとするのだが…

まず重要なのがこの絵が“キリスト画”のため、これはつまり“イコン”だということ。
イコンは正教会におけるキリストや聖人などを描いた絵のことで、通常イコンは「聖なるものによって導かれている(描かせてもらっている)」と考えられているため自分の名前を記さない。
(ちなみに作中の字幕では「聖画」となっているが自分の認識では聖画はカトリック教会での言い方で、今回はレーピン=ロシア人=ロシア正教会という構造が成り立つので、「聖画」ではなく正教会の「イコン」が正しいと思うのだが…)

そこでこの名画が無記名の理由がわかるのだが、なぜ画商であるはずのオラヴィが“イコン”の存在に気づかないのか?という疑問が生まれる。

ここで家族の存在が出てくるのだけど、オラヴィは家族を顧みずに仕事(画商)に没頭していたとことを娘から「誰かのために生きたことがない」と非難される。
つまり隣人愛に代表されるような“誰かのために自分を犠牲にした”キリストを描いた絵は“誰かのために生きたことがない”主人公にはわからない(その存在に気づくことができない)という構造になっているのだ。
そしてオラヴィは店を畳んで孫からの手紙に涙する=誰かのために生きることができた瞬間に、美術館より留守電が入ってそれがイコンだから無記名だったということがわかるのである。

これはかなり寓話的な作りではあるんだけれども、普通の破産寸前の画商とその家族の物語の裏側に、キリスト教の大定番ともいえる図式を綺麗に重ね描いているこの構造の美しさに気づいた時に、思わず見惚れてしまった。
めちゃくちゃ入り組んでいるわけでもなく、シンプルすぎるわけでもない。
本当に素晴らしいの一言でした。

たまーになんの前情報もなく、ジャンルもわからず、なんとなく借りるとだいたいこんな良作に出会えるのが、店舗で借りる醍醐味!

2020-89
jocx

jocxの感想・評価

3.8
画商という世界、とても奥が深く難しい。
いかに価値のある絵を見つけて売るか。1枚の絵と出会った彼は老体に鞭打って1枚の肖像画を獲得するために奔走し、その絵画を調べまくる。ポイントは画家のサインがないこと。そして、家庭を顧みなかった父親のもとに孫息子が来る。孫との2人三脚が彼に光を当ててくれる。名画の獲得、行方、親子関係、様々な問題が重なり合う。その中で、肖像画に何故サインがなかったのかという考察を聞いた時、宗教画を描くことの謙虚さ、神に対しての畏敬の念を知って感動した。フィンランドの街並みと国民性、そして絵画に対する憧憬など、とても勉強になった。もう少し救いがあっても良かったが、観て良かったと思える映画だった。
ロケーションが大変美しい。

おじいちゃんは家庭人としてはダメ人間で、年ともあって時代に取り残された感じで哀れだけど、最後の情熱が見つけられて良かった。

オークションハウスのおっさんは何か大失敗を起こして馘になれ。

このレビューはネタバレを含みます

2020/6/22
メトロ劇場

最近しみじみと、映画館の椅子がすきだな、と感じます。あと半券もだいすきで。映画館ごとに半券が違うのってもう神秘的で私の中ではとっても嬉しいのです。

残念ながらまだ県外に出るのは怖いので、地元でしか映画を見れない、となると、必然的に上映されないものも出てくるわけで……新作公開に喜んでいたら地元で上映してくれない!となって複雑な気持ちになっている、今日この頃です……

それはさておき…。

家族を捨ててまでも自分の信念を貫く、執念なのかな、それを感じました。
自分には当てはまらなくて共感はできないけれど、ものすごくお金をかけて、なにを犠牲にしてでも手に入れたいって、素直に凄い。それが実の娘にまでお金をたかるのはどうなのか……はたまた孫にまで…
という気持ちもありましたが、おじいちゃんと孫がタッグを組む、みたいなところはすごく好きだったので、見てよかったなと。

オークションのシーンはハラハラどきどきしてしまいましたね。お金がないのに、諦められなくてどんどん高値になっていくの。大丈夫?お金ないのにどうするの!と心のなかでどきどきでした。笑

5段階評価で、6!だと手紙に書いてあったシーンはほろり…( ; ; )
生きてるうちに、伝えたいことは伝えられたらいいな…
好きな人には大好きだと、伝えていきたいな…
これは自分の中で常に思っていることでもあります。簡単なようで難しい。


フィンランドの街並みが素敵なのと、すぐ影響されやすいので、これを見て美術館で絵に触れたいな〜となりましたよ。

このレビューはネタバレを含みます

絵の売買に人生を掛けたおじいちゃんが短期間で孫と家族仲深めつつ、名画を扱う話。

五段階評価に6が書き足されてるシーンが凄い好きなんだけど、後はあまりぐっとこなかったなあ。金を娘にたかるシーン、周りの年齢高めな観客達が笑っててびっくりした。娘があんなに怒ってるのに1ユーロでも貰おうとしている状況に私は絶句しか浮かばなかったのになあ。
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