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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像のjocxのレビュー・感想・評価

3.8
画商という世界、とても奥が深く難しい。
いかに価値のある絵を見つけて売るか。1枚の絵と出会った彼は老体に鞭打って1枚の肖像画を獲得するために奔走し、その絵画を調べまくる。ポイントは画家のサインがないこと。そして、家庭を顧みなかった父親のもとに孫息子が来る。孫との2人三脚が彼に光を当ててくれる。名画の獲得、行方、親子関係、様々な問題が重なり合う。その中で、肖像画に何故サインがなかったのかという考察を聞いた時、宗教画を描くことの謙虚さ、神に対しての畏敬の念を知って感動した。フィンランドの街並みと国民性、そして絵画に対する憧憬など、とても勉強になった。もう少し救いがあっても良かったが、観て良かったと思える映画だった。
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