狂王キシリトールヴィヒ2世

第七の封印の狂王キシリトールヴィヒ2世のレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
5.0
多くのキリスト者が神の沈黙を嘆くのとは対照的に死は勤勉とも言えるほど徹底してあらゆる人の隣に常に控える。人間社会に踊らされ死に踊らされ、生、人間存在というものがあまりに虚であることに悲嘆する。あるいは死を前提として踊りだし歌いだし人の世が続くことで畢竟生じる喜劇。死にゆく人の顔のショットつらかったけど何よりも酒場ではやしたてるひとたちの暴力性高圧力映像がめちゃくちゃ精神的にくる。死を思えとなんだかんだ意外と面白おかしいを思え。その突発的な往来。容易に信じうるもののない世の中で絶対の法である死の恐ろしくもおかしい在り様のカリカチュア。信じることよりも死へ勝負を挑むことの方が実際的であるという皮肉。