うちだ

第七の封印のうちだのネタバレレビュー・内容・結末

第七の封印(1956年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

大分面白かった。
既に観た二つのベルイマン映画はどちらもわかりやすいやつだったけど、これみたくシュールな方が好きかも知れない。

中世の雰囲気がすごい良い。
酒場とか野原とか城の雰囲気がファンタジー感ある。

黒装束の男は忌み嫌われる死神として扱われてるけど、むしろ見た目が修道士っぽくて天使に近い存在のように感じる。アントニウスやヨンスの救済、もしくは最後の審判に連れて行くために現れた存在なのではないのかなと。

劇中だと神学者もとい盗賊や、聖職者風の恐怖を煽る連中よりも、よっぽどアントニウスやヨンスの方がよっぽど信仰に忠実に思える。
教会での対話は、神の存在を追求し苦悩するアントニウスに対して、どうかな〜って回答をうやむやにしてあえて試練を与えて答えを導かせようとする天使にみえる。
そうすると芸人夫婦はなぜ連れてかれなかったのかって思ったけど、赤ちゃんがいてまだその時ではなかったからかな。

人間が作り上げた天使や悪魔のビジュっていうのはあくまで想像でしかなく、誰も見たことがないので、天使が白装束だとは限らない。
冒頭の、ずっと側にいたというセリフは、死は最初からすぐ近くににあったともずっと天使の加護があったともみえる。

シュールで冗談を言うところもあれば、重々しいシーンもあり、理解しきれないところもあり。こんくらい監督の自我が出てる方がいいと思う。
うちだ

うちだ