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第七の封印のtaのネタバレレビュー・内容・結末

第七の封印(1956年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

初ベルイマン。
ジャケットやあらすじから最初は重い話なんだろうと覚悟していたが、軽妙な掛け合いもあって案外観やすかった。

ペストが蔓延し死という存在が間近になったあの時代だからこそ、死を扱うこの物語が活きていると感じた。
死は生きとし生けるものである以上避けられない生物学上のシステムではあるものの、その苦痛、悲哀からどうしても目を背けてしまう。現代に生きる我々は技術発展や飽食の時代によって死を忘れ、忌避してしまうようになった。
役者夫婦が野いちごとミルクを分け与えるシーンこそ死に立ち向かう重要な分岐であったように思える。明日をもしれない状況下で、ああやって食べ物を分け与えることが出来る彼らが最後に生き残ったのも非常に印象深かった。

死が間近にあって、自らに降りかかる恐怖に怯えながら生活していきたくはないな…。
「やっと終わるのね」という台詞、辛さと爽快さが両立していた。

もっとキリスト教、聖書の知識を勉強して再見したい。
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