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シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たちのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.8
《スポーツの映画》、Vol.2。水球①。
水球①とか言って②はないんじゃないか、、、?

実在するゲイの水球チームの話。
企画2作品目にして、いきなりちょっととんがったエリアに手を出してしまった。

でも観て良かった。面白かった。
もっこり、いや、ほっこりもするし、すごく笑えた。
何かこいつら観てたら、日々起きる色んな大変な事の大半はへっちゃらだなと思えてくる。

ゴリゴリのスポ根要素もあるにはあるけど、ロードムービー要素もあって、マイノリティなカテゴリだからこそ色々なことを映し出してる。

「あたしたち、勝ってゲイゲームズにいくわよ!」
「ガチムチガールズがエントリーしてきたらしいわよ!」
「なにーーー!あの、クソビッチどもめ!きー!」

「なんで“カニ”ではなく、“エビ”なの?」
「そりゃぁもぅ、あたしたちの腰使いがすごいからよ!」

という、何か日本のギャグマンガの定番のテンションと勢いで押せ押せもあれば、オープンバスで目的地まで自分探しみたいな少しおセンチなところもある。

この“違い”は個性であることを疑わず、別に隠すわけでもなく、強要するわけでもない。
ただ、それを臆せず主張する。

個人的にパートナー探しとか、火遊びとか、私利私欲のためにガンガン押せ押せフォー!かと思いきや、自分たちが必死に戦い活躍することで、このマイノリティの代表として恥じない思いが届くかもしれないという真摯なゲイ道もある。

性的な差別発言が事の発端で、代表選手争いの一線から引き摺り下ろされて、あわや追放寸前の水泳選手が罰則としてゲイの水球チームのコーチをするところから、性的な趣向の違いやチームの育成を通して、教えるつもりが教わってる的な、それを超えて芽生える友情やスポーツマンシップと熱意。

スゴくキャッチな音楽が、破天荒な道のりをうまく整えててなんやかんやと観やすくて、笑えて、ほっこりして、ホロッとした。

むさ苦しいけど、爽やかな連中のゲイ根性の真髄が観れた。

何か勝手に厚かましく、
「あんた、はっきりしない男ね!男ならあたしたちみたいにビシッとしなさいよ!ビシッと!」
と、尻を叩かれたような思いに駆られた。

気持ち良い奴ら。
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