EPATAY

コンフィデンスマンJP プリンセス編のEPATAYのレビュー・感想・評価

4.0
種明かし部分に関しては、やはり過去作と同じくなんでもありのズルい感じがするが、ドラマから始まってここまで続いてくると、待ってました!とはなる。

それから、今作は、観客がよりダー子たちに感情移入出来る様な構成になっているため、彼らの仲間として、一緒に騙しているという気分になれるので、種明かしのズルさというのはそこまで気にならない。

ただ、今作の一番のポイントは、騙し騙されのトリックの部分ではない。真にすごいポイントは「性悪説前提の世界で純粋な善が生まれる瞬間」を描いている点だと思う。

そもそも詐欺師の話なんだから、相手がいくら悪人であろうが“善”ではない。

全編を通してここが一貫されているのが素晴らしくて、行為だけ見ると“悪”なことが“善”に、“善”なことが“悪”に、心の有り様で変わるのである。

それを性悪説ベースで描いているので、夢物語や理想で終わるのではなく、「あなたの物語」としてしっかり機能している。


そして上記を踏まえた上での最後の仕掛け、騙された云々ではない爽快さと気持ちよさがあり、ドラマの映画化としては完璧な出来では。
EPATAY

EPATAY