蒼井ことり

コンフィデンスマンJP プリンセス編の蒼井ことりのレビュー・感想・評価

4.1
なんだ、思いのほかいい話。
ダー子が魅力的だわ。
ルパン三世みたい。
本当はお金にさほど興味がなくて、彼女独自の美学がある。仁義がある。
長澤まさみの振り切ったコメディエンヌぶりが本当にいい。普通にしてると彼女、美形で没個性になってしまうから。いい役に出会えたね。
いろんな変装する小日向さん演じるリチャードのうさんくささがいい。
東出くんは演技がそこまで悪いと思わないけど発声を改善して欲しいかな。

コックリ(=ミシェル)の度胸、純粋、誠実、時頭の良さは、偽物を超えた本物のプリンセスだ。(虐待された子があんなに人を信じられるものかな?)
ミシェルとして生きていくと決めた時の表情が、今までのおどおどした子供の表情と決別してキリッと強い意志のある表情。
背筋もピンって伸びていて。
人は皆、一度きりの人生を、なにかを決断して、覚悟して生きているんだ。
”なりたいものになれる”
とか、
”ありのままの自分”
とか、
いかにも現代的テーマ。
あぁ最近よく聞くやつだ、
あぁ最近こればかりだよね、
と分かっていてもカタルシス。感動して涙してしまう。

ジェシー、ヤバイな…
こりゃーマブい。こりゃー騙されるわ。
三浦春馬くんには頭が下がる。
尊敬してしまう。
嘘みたいに美しいしキラキラしてる。ものすごく華がある。少年の頃からずっと綺麗。太ったところも見たことない。演技も体型も、節制してるし努力してるのが分かる。彼がそういうタイプじゃないだろうと思うから余計に、ギザな役を演じてるのが分かる。ちゃんと、恋愛詐欺師を魅力的に演じてる。この人こういう人なのかな?と錯覚するくらい偽物を演じてる。これがプロの仕事なんだなと思う。生い立ちこもごも立派な人だよ。いまだに信じ難く、本当に惜しいと思う。

…そうか、役者さんたちは皆、詐欺師みたいなもんだね。それで私はいつも、彼ら彼女らの演技に一杯食わされるのだ。


ダー子たちクセのある詐欺師らの物語は、結局誰も傷つけないのが良い。クスッと笑えて、ちょっと涙して、それでみんな幸せな大団円。
そう、それに越したことない。
だってリアルの人生はそうはいかないもの。せめて映画の中だけでは…。


3ヶ月ぶりくらいの映画鑑賞は、邦画だから字幕と音声に集中しなくて良く、分かりやすいハートフルなコメディということもあり、難しいこと考えなくて良く、肩肘張らず見れて良かった。娯楽として存分に楽しめて、人生に少しの希望をもらえて、あったかい気持ちになれて、あぁたまに映画見るっていいものだなと思える作品だった。
映画を見るなんて無駄なことだと荒んでた時期もあったけど、映画を見ない人生のほうが無味乾燥で無意味なんじゃないかって思えた。映画を観ることって、結局自分との対話なんだ。自分が成長する機会なんだ。
蒼井ことり

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