湊健一郎

花束みたいな恋をしたの湊健一郎のレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.7
【はじまりはおわりのはじまり】


2021年の映画初めにして傑作の邦画でした。

邦画の恋愛映画における歴史に残る作品になると思う。
文学的に語られるモノローグも刺さる言葉ばかり。

5年間の男女恋愛の日常。
そして、はじまりとおわりを描いている。

恋愛地獄映画。


出会い、付き合うまでの高揚感、付き合った直後の永遠幸せが続く感じ、長く時間が経過してお互いの存在に慣れ恋愛感情が薄れ関係のズレが生じていくあの感じ。

趣味や好きなものがどれだけ一致しようが人間性が合うのとはまた別の話し。


自分は五年間も一人の女性と付き合った事はないですが、自分も少なからず同じような経験があり、鑑賞後少しセンチタイムに入ってしまった。笑
そういえば自分も遠い昔ファーストフード店で別れ話ししたなぁ、、、とか。笑

作品中では特に大きなイベントは発生しない。
しかし、恋愛における出会いと別れまでのディールの描写がこれでもかと言うほど繊細に丁寧に描かせている。

『価値観の違いで』って言葉はなんだか便利で嫌いなんだけどもこの作品でわかるような気がした。

自分を取り巻く環境によって自分の中にある価値観は顔を覗かせ変化してしていくんだと。
仕事、恋愛、日々の暮らし方、人との関係性が変化し、その優先順位が変わっていくあの感じとても理解できた。

恋愛経験がある人なら皆どこかのシーンで共感できる作品。

今恋愛している人はたいせつにしなきゃいけないものが必ず見つかる作品。
沢山の人に観てほしい。
サブカル好きにはたまらない映画になってます。

絹ではないですが、
余韻を上書きしたくないなとおもっので、、映画のはしごする予定は辞めました。笑

パンフレットは物凄く内容の濃いよくできたものだったので(まさかのあれが付いてます笑)売り切れないうちに購入をオススメします。
湊健一郎

湊健一郎