かよ

花束みたいな恋をしたのかよのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

坂元裕二さん、やっぱりすごい。すごすぎるな。
突き刺さる言葉や文化。あー、わかるわかるの嵐で序盤はニヤニヤしながら見てたけど、後半から社会的問題をも巻き込んで自分の心にあったカサブタをベリベリはがされまくる…
絹ちゃんも麦くんも悪くはない。でも社会に出るって何…労働って何…って考えこんでしまう。
私は今こうやって映画鑑賞を楽しんでいるけど、仕事の事で塞ぎ込んでしまっている時は(パズドラじゃなくて)スヌーピーパズルしかする気がない時ってある。あのパズルを合わせることしか考えたくない時ってあるもの…

電車に乗ることを「電車に揺れる」って言うこと、その言い方を素敵と思うこと。めんどくさいけどそういうのも…正直ちょっとわかる…

土に根を生やし咲いている花でなくて、花束っていう表現もうまいな。花といえば絹ちゃんは麦くんに花の名前を教えてあげたのだろうか。麦くんのこれからの人生には花の名前が抜けない棘のように残るのだろうか。

坂元さんの脚本も最高でしたが主演2人もすごいうまかった。就職前後で話し方や仕草、目つきがまるで変わる菅田将暉さん、おっとりとしてそうで実は割とちゃっかりした両面を嫌味なく演じた有村架純さん。特に有村架純さんは坂元脚本でよくある、感情があるのかないのかわからないよう、ふわふわとした、抑揚が大袈裟でなく、早口で鈴を転がすような声質で語る感じ。あれがとてもよかった。カルテットの松たか子さん、それでも生きていくの満島ひかりさんみたいな感じ。

もう一度見直したい映画。
かよ

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