「花束みたいな恋」。恋ってそうよね〜と思う。一本ずつ花を摘み取って、束ねて、落としては拾ってまた結んで、その繰り返しで大きく美しい花束をつくる。花瓶に生けて、水を換えたり間引いたりして、そうしてゆっくりゆっくりと枯らしてゆく。束ねたぶんだけ重たくなってしまって、手間をかけたぶんだけ捨て難くなってしまって、枯れた花に見て見ぬふりをし続けてしまう。「別れる」と決めてからそれを口にするまでの葛藤とか妙に凪いだ心とか、思い当たる節が多すぎてだめ。あの頃の二人が無敵だったことも、同じものを同じように大切にできたことも、すべてが本物できらきら輝いていて、ほんとうに美しかったな。始まるって終わっていくことだ。