遅ればせながら本作をようやく鑑賞。
罪の声の土井監督。
ごく普通の若い2人のありふれた恋の話を生々しく表現しており最後までドキドキしながら観る事が出来た。
これも坂元裕二の脚本に追う所は大きいだろう。
2015年から20年迄の東京の原風景と世情を上手く取り入れている辺りがこの作品の普遍性とリアルさをスクリーンから感じる事に繋がっているのであろう。
今一番の若手俳優2人は、自身のキャラクターを投影しながら生き生きと演じており非常に好感が持てた。
坂元裕二のラブストーリーの脚本という事でもう少しドロドロした切ない感じの物語を想像してしまったが、これは今時の若い2人という事や成長過程という事もありそれはまたこんな感じなのであろう。
自分の内面をナレーションで表現する手法は最後まで良かった。後半最終場面でもいきてくる。
恋の行方と共に場面のテンポが前半と後半で大きく変わっていた演出効果もこの作品の質を高めている。
日常の生活に追われると人は余裕が無くなりエンタメやカルチャーに興味が薄れていく麦君の様子はこれでまたリアルであり
現在の社会の人々を俯瞰しているようでこれもまた興味深かった。