SatoshiIto

花束みたいな恋をしたのSatoshiItoのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

花束、という比喩の意味をずっと考えながら画面に釘付けになってました。
偶然改札で助けた女の子と始発まで居酒屋で過ごす。
話すと趣味や習慣的な部分がほぼ同じだった。
奇跡的なカップリングで始まった恋愛の行方。花束という言葉が何を意味するのか。
結末から言ってしまうと主人公の麦とヒロインの絹は最期には別れてしまいます。
たしかに付き合う当初は御二人の恋の花束はお互いに綺麗に咲いていたと思います。
花束は開花している間は束ねてありますが、いつかは枯れてしまいます。
思ったのですが、枯れた花束を捨てるときって恐らくバラバラになるんじゃないでしょうか。
どんな人の恋もいつかは枯れると思います。
最大の疑問は愛ではなく、あくまで恋ということ。
付き合うのは恋、結婚は愛。
相手への好意の度合いを分かりやすく言ってしまうとそうなるのではないでしょうか。
好意について花で例えます。恋というのがまだ芽の段階すると、麦と絹の出会いによって恋という芽が出ました。
最初はお互いに芽を育てる為に二人で順調に水を与えていきます。
ですがやがて、常に一定の水をやることは困難になっていきました。
いつしか片方ずつでしかお水を与えることができなくなります。
付き合う初めは双方、互いのことを考えてくれていたはずです。
なのにときが進むにつれて、環境の変化により、お互いが相手の為にとは言いつつも、自分の使命と欲求を満たすように行動、思考するようになります。
嫌な言い方をしてしまいましたが、ようするに仕事で手一杯になり、麦の余裕がなくなります。
一方、絹はまだちょっと相手のことを考える余裕があります。
お互いの価値観や想いが合わなくなっていきました。
僕がまず思ったのはこの二人は本当に心から互いに好きだったのだろうか。これに尽きます。
好きなものがほぼ全て一緒だっただけでは?とか色んな感情を巡らせました。
それでも何年も同棲を続けるだけの決定的な想いがあったはずなんです。
ハッピーエンドとは言えない、けどトゥルーエンドとは言えるこの二人の花束みたいな恋。
麦と絹、二人に訊きたい。
お互いのどんな所が好きなの?って
SatoshiIto

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