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花束みたいな恋をしたのNonのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


私自身"凡人"だけど、「麦や絹みたいに(表面的に)サブカルが好き=個性がある=凡人ではない」と思ってそういうのに憧れていた時期が過去にあったから、序盤の好きな作家を羅列するシーンのところなんかは過去の自分を見てるようでゾワゾワした。好きな作家は羅列するけれど、その作家のどこが良くてどんなところに惹かれるとか深い話をしてるシーンは出てこないし、表面だけ取り繕ってアイデンティティを保ってる。「ショーシャンクが好き」って言った男の人を鼻で笑ってたしね。分かるよ。

麦と絹は、"共通の趣味を持っている"というのに惹かれて付き合っているから、その趣味が共有出来なくなったら、別れるのは当たり前のことだとは思った。劇中でお互い「好き」だとか愛情表現を口にしているシーンも相手を思いやっていると感じるシーンも無かったから、そういう事なんだと思う。
現代だとマッチングアプリで付き合う人も増えてきているけれど、付き合った理由をいざ聞いてみると「共通の趣味があって、」というのをよく耳にする。趣味の合う人と出会えるってメリットだけかと思っていたけれど、そこだけにフォーカスしてしまうと相手の表面しか好きになれないのかもしれない。

最後のファミレスのシーンで私は不覚にも号泣したけど、何で泣けたのか未だによく分からない。DVDになったらレンタルしてもう一回観てみようと思う。


あと、私はこの映画を彼氏と観て正解だった。
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