ヤンマミーヤ

花束みたいな恋をしたのヤンマミーヤのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

みんなが良いと言ってるものについて
その良さを言語化する難しさを感じているのですが…

いざ、レビューに挑む!!
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主演2人の容姿の良さと
おしゃれすぎるアパートのおかげで
緩和されているものの、非常に闇深い
恋愛映画であった、、、!

「足りてる社会」に生まれた
ミレニアル男女の恋愛の難しさ。

まさに自分もミレニアル世代なわけだが
私たちは親世代にはなかった恋愛の
困難に悩まされている。

「結婚がアイデンティティ形成の
ひとつではなくなった女」と
「結婚で女を幸せにしようとした男」
が切なくもすれ違っていく話。

逆に私たちの親世代は、
女は「結婚を通して自分の
存在を確かにしようとしていた」し、
男はそんな女を「結婚で(一時的に)
幸せにできていた」世代だったのである。

でももう私たちはSNSやあらゆる
メディアを通して、結婚しても
不倫する男女やセックスレス、不妊etc
結婚の負の側面について知り過ぎているし
「ワタシ結婚しなくてもいいんだよね」
がごくごく普通の意見になっている。

もちろんそのおかげで
冷え切った夫婦生活に耐えたり
キャリアや趣味を諦めたりする
必要がなくなって、私たちは
もっともっと自由になって
「幸せ」になる、、はずだったのに、、

結婚が必須事項でなくなったために
結婚することにもっと「特別な何か」が
必要になってしまった。

「誰かと一緒にいる理由」を
見つけるよりも
「別に一緒にいなくてもいい理由」を
見つける方が遥かに簡単になってしまった。

結婚を迫るムギくんに言った
きぬちゃんの「そうやって
全部ハードル下げていくの?」
のセリフがグサリときた。

そう、逆に言えば私たちは
全てにおいて「ハードルを下げれない」
社会を生きることになってしまった。

「結婚しても恋人みたいにラブラブな夫婦」
「好きなことを仕事にするやりがいある人生」

「幸せ」の理想があがったせいでそれまで
存在しなかった「不幸」を感じるようになった
すきなものに囲まれた部屋で
恋人と楽しく暮らしているはずなのに
「幸せ」を感じられない
結婚するには「特別な何か」が足りない
だって出会った頃の私たちにはあったじゃん…

豊かになって選択肢が増えることは
いいことだけど、そのことが
恋愛が結婚にいたる過程において
与える影響について考えさせられた

「結婚」が恋愛のゴールで、幸せのかたちと
多くの人が思い込んでたひと昔前に戻りたいとは
言わないけど、一方で映画の中で
2人が直面した現代の恋愛の難しさ
(生きづらさ)を乗り切る方法が今のところ
さっぱり思いつかないので、
映画を観た後どうしようもなく苦しくなる。
ヤンマミーヤ

ヤンマミーヤ