cinecoro

花束みたいな恋をしたのcinecoroのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.5
恋愛がテーマの邦画を映画館で観たのは初めて。こんなにも広い世代に門戸が開かれている20代の恋愛もの、素晴らしい。
あの予告編しか情報が無かったら絶対観ないけど、あまりにも評判良いのと坂本裕二の看板を信頼して勇気を出して観に行って良かったー!
2人が部屋を決めるまでの気分が上がっていく感じが最高に楽しい。初めて会った夜、絹ちゃんが好きな作家を挙げていくのを麦くんがうんうん、とうれしそうに聞く感じがこちらもうれしくなってとにかくニコニコしてしまう。 2人の部屋も良かったけど、麦くんの整頓された部屋も良かったなあ。今家の本棚について考えてるのでこの部屋見たさに2回観た。劇中の台詞、「ほぼウチの本棚じゃん」て、好きを共有することは楽しいことではあるけど、それ以上の成長にはならないのが考えなくてはならない事だなあと最近思う。

焼き網でおにぎり焼くところとか、麦くんの生活スキルは実家暮らしの絹ちゃんよりよっぽど高くて、彼女より圧倒的に早く大人にならざるを得なかった麦くんだったからこの先の結婚を意識した生活基盤を作ることの方が、2人の間にあった尊いものを追い越してしまった。でもそれってハードルを下げるのとは違うよ〜と、モヤモヤしてたけど、2人がしてたのはままごとの様な恋愛であって(外国人から見たら小学生に見えかねないおふたりのルックスがままごと感に拍車をかける)生活ではないのだから続くわけはないよなあと切ない気持ちになった。
学生時代にあんなパーカー着たかわいい男の子と恋愛したかった…(結局そこ)
ところでこれ、実在の固有名詞がバンバン出てくるけどそういうカルチャーに興味ない人が観ても楽しいのだろうか…
cinecoro

cinecoro