このレビューはネタバレを含みます
最初のイヤフォンのくだりをみたとき、はぁ~?という気持ちで見てしまったけど、ストーリーが進むにつれてあの表現がしっくりきた。
岩井俊二さんの言い回しはくどいなって思うことが多いけど、結局その言い回しが作品にバチッと合っていて伏線回収に気付けた気分になるから最後にはあの言い回しが良かったなって思っちゃう。
「花束みたいな恋をした」ってなんでこのタイトルなんだろうって思った時、
「男の人と別れる時に花の名前を一つ教えると、その花が咲くたびに女の子のことを思い出す」
このセリフでいう花がこの作品では、ゴールデンカムイだったり今村夏子さんの小説だったりが一つの花の役割となっていて、それが花束になるほど思い出がある恋だった。
ということなのかなって思ったらしっくりきた。
「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。
花は毎年必ず咲きます。」川端康成
「思い出す」を「花は毎年必ず咲きます」に表現できるのはさすが小説家...