人との関係で、現状維持ほど難しいものはないな
そして恋愛において、共通項を愛することの尊さと脆さをみせられました
絹ちゃんは「はじまりはおわりのはじまり」だということをめいさんのブログから知っているから、麦くんが現状維持を目標にしても、心の隅っこにあるめいさんの言葉が疼いてしまう。それでもほんとうは、絹ちゃんもミイラみたいに「永遠に変わらないもの」への希望も捨てられずにいたんですよね。
麦くんはというと、夢追う先輩(ほんとうは先輩のように生きたかった)とは対照的に変わらなければ掴めない幸せがあることも知ってしまっていて。
めいさんと先輩の2つもの死が、それぞれの希望を、わずかでも奪い去っていることをきっと指していて哀しかった。
価値観の違いが次第にあらわになって、思い描く未来が同じでなくなってしまうという関係性の変化には、少し「カルテット」みがあった気がした。
個人的には、この世界観を自分と同い年の菅田さん有村さんが演じてくれて、そして自分もどっぷり恋愛時代だった2015〜2020年ならではの恋愛を、とっても生々しく描いてくれたことが嬉しくて、共感できることは多かった。