豚アーニャ

花束みたいな恋をしたの豚アーニャのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

甘ったるい恋愛映画だし、笑っちゃうぐらい自分の世代直撃系の流行り言葉サブカル要素詰め詰め映画だった
カルチャーは海で例えられる。
これが海ですと砂浜の写真を紹介する人は、砂浜から撮ったみんなが好きそうな写真を求める
これが海ですと深海の写真を紹介する人は、深海に潜るための知識と訓練を詰み誰も見たことない写真を求める
広告代理店並みのプレゼンが出来たかは知らんけど。

私が好きなジャンルの1つがこういう甘ったるい恋愛映画が好きでして。というのも、映画や創作で描かれる「普通の生活」はあまりにも普通の天井を見上げた特別以下の生活でして、普通の範囲から出れない特別だとかねてより思っており、ある種のSFだと思っております。
映画でぐらい理想の天井を叩きまくる普通を見たいと思ってしまうんです。
そんな私はめちゃくちゃ面白いと思ってしまう映画でした。
というかサブカルでも今作ぐらいの文化が好きなので、こういう時に気が合う人がいるとワクワクしてしまうとか、トイレットペーパーを持って歩く生活感を匂わせるカットが良いなとか、そういうところに頷く私がいるんです。
伏線があるわけでもないし、結局最後は気合う感じなんだな〜みたいな、笑ってしまうような。初めて僕の初恋を君に捧ぐを読んだ時みたいな。そんな気持ちで見てました。こんなに世代直撃の映画見たことなかったな〜と感じつつ、この2人の立ち位置は、みんなが砂浜で遊んでる時に離れて海で泳いでたらバッタリ会った2人なんだなと思った。
2人は別れてしまったし、いちいちグタグタ自分の価値観を押してくるところは変わらず気が合うってオチだった。
映画目線で見た話。

サブカルファンで見た話。
2人を繋げたキッカケでも小説やマンガや音楽が2人をいつまでも繋ぐ文化にはなり得なかったんだな。
主人公の男は、仕事にやさぐれ自分の好きだったモノが途中で見えなくなってしまったり、彼女とぶつかってたけど、落ち着いたらまた趣味に傾倒し始めてた。
女はずっと好きだった事を好きになり続けて、結果仕事にした。
2人が別れた要因の1つとして、サブカル目線の価値観が出てるのもなんか新鮮に思えた。題材としてそれが映画を深くさせるなんて思ってない。ただ、ある種サブカルが好きな者同士の気が合うの最果てを見たような気がした。やっぱりそうだよなとも思った。
どこまでがサブカルなんだと言われるとわからないけど、この映画のサブカルはトレンドであり流行のように感じた。パッと散って咲いて灰になる花束は、手元には残らないけどキレイな瞬間だけは記憶に残る。ブックオフで100円で売られてるCDを見てる時と同じ似てる気がした。
音楽や漫画や映画や写真、表現モノが好きだ。
多分自分は、ずっと何があっても海を泳ぎ続けるような気がした。
豚アーニャ

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