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花束みたいな恋をしたのyzのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.0
天竺鼠の単独行けよ!とおもしろとして触れてしまうが真面目に良くない行為である。
カルチャーに関して言えば、この人たちは
「ひとりあそび」が出来ないんだなぁと思った。(ふたりが、私たちが好きなカルチャーを共有や共感、顕示せずに楽しむことは可能である)厳しい言い方だが、本当に好きな訳じゃないんじゃない?と感じる面がある。
そういう「好き風」の人はたくさんいる。
絹は辛うじて出来るような気もするが。

就職する=社会に出るが
資本主義・新自由主義により組み込まれていくことなのがそりゃそうではあるが上手すぎる。
絹の方がカルチャーに対する熱量が断然高い
から好きなことを仕事に出来て
表層を「消費」していただけの麦は
新自由主義に染まり、自己啓発本に走る。
根底にある違いは出身地や家柄の違いから
来ていると読むことが出来る。
麦が無自覚に支配的で有害な男性性を現す
人であることも加えて
極めてフィクショナルなラインの物語に、
人間や時代のリアリティが詰まっている。
綺麗で上手い作品だとは思うが、
私の好きな坂元作品はこういうのではない。
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